みなさんごきげんよう、野球大好きHIDEZOです。
大谷選手、35号ホームランでHRダービーをぶっちぎっていますね。おまけに三塁打も7本でトップ。パワーキング・スピードキングですね。
今回はまた大谷翔平の身体能力をHIDEZOなりに分析してみます。かなり独断的推定で二刀流の肉体を解説したいと思います。
従来の常識
従来の常識では投手の専業化、打者の専業化をすることがそれぞれのスペシャリストを生むとされてきた。使う筋肉が違うから二兎を追うことはできないと考えられてきた。しかし大谷翔平にそのその常識は通用しない。
なぜ大谷の二刀流が絶大なパワーを生むのか、筋肉筋膜の構造と働きから考えてみたい。
大谷翔平選手の身体的特徴
大谷翔平は193cm、105kgの長身でサイズが大きい。
さらに柔軟性が高く、関節可動域も大きい。しかしMLBには大谷より大きく筋力がある選手はたくさん存在する。大谷はMLBの中ではやや大きいサイズであり、特にとびぬけているわけではない。
HIDEZOが注目したのは「体の回転軸」「筋膜のスパイラルライン」の使い方が非常に優れているという点だ。これはまだ誰も解説していないと思うのでぜひ読んで欲しい。
右回転と左回転① 投球は右回転
大谷翔平の投球動作は右投げのオーバーハンドである。
右投げ投手は体軸が「右回転」する動きをする。
「投球における体軸の動き=肩のラインが右上から左下に捻る斜めの軸回転」だ。
速い球を投げるロジックは、①体軸を前方移動する速度、腰~体幹~両肩のラインを捻る速度、③腕を振り、肘手首のリリースの加速力である。①+②+③の総和がボールの速度である。
例えば高橋由伸投手は①がめちゃくちゃ速いのが特徴である。槍投げ的であり、往年の速球王、山口高志投手に似ている。大谷投手は由伸投手ほど①は速くはないが長身でリーチがないので柔軟性を生かした全体調和、バランスで投げている。
右回転と左回転② 打撃は左回転
大谷翔平の打撃動作は「左打ちのアッパースイング」である。
体軸が左回転する動きである。
「打撃における体軸の動き=肩のラインが左下から右上に捻る斜めの軸回転」だ。
打撃では投球とは正反対の軸回転運動をしている。つまり投球動作が打撃のトレーニングになり、打撃動作が投球動作を鍛えているのだ。前後左右の軸バランスがぶれない強い体が養われているといえるだろう。
大谷選手は疲れ知らず、休まないことで有名である。野球中心でしっかり睡眠をとり体のケアを怠らない素晴らしさがある。しかしそれだけではない。投手のパワーの出し方、打撃のパワーの出し方が真逆なので、出場し続けることが彼の身体のメンテナンスにもなっているということなのだと思う。真実はやっている大谷翔平選手にしかわからないことなのだが。
瞬発力が命 カギは螺旋の筋膜・スパイラルライン
野球というスポーツは「瞬発力が生命線」である。
多関節、多筋肉を連動させて最大出力を出さねばならない。
最大出力のカギを握るのが「体幹を斜め螺旋状に走る筋膜」(スパイラルライン)である。
体幹全体を覆う筋膜には体の前面と背面にある上下の筋膜、カラダの左右にある側面の筋膜、そして体幹に巻き付くように存在している「右巻きと左巻きの筋膜」が存在する。このらせん状の筋膜が軸回転の捻りと解放による爆発力を生むカギを握っている。
野球のピッチング、テニスのサービス、バレーボールのアタック、柔道の一本背負いお投げなどの動作は背骨両脇にある脊柱起立筋を中心に右回転、左回転するひねりの動作である。
素早く捻って、捻り戻すパワーを肩、肘、手首へと伝え、高速運動として出力するのだ。
大谷翔平はを左回転、右回転使い切る動作ができている。
野球の打撃スイング(ゴルフも同じ)、野球の投球動作では一方向にしか腰を回転させない。
その結果、左右の筋力バランス、関節可動域にアンバランスが生じる。
その結果肉体は歪んでしまう。
それを嫌ってダルビッシュ投手は左投げの練習をして歪みを矯正している。
大谷翔平の場合、投球と打撃が丁度「正反対の回転運動」であるから、非常に効率が良い。
投球と打撃、相互作用でより強くなる大谷翔平
なにが良いか?
滑らかな右回転の投球動作のトレーニングが、滑らかな左回転の打撃動作のトレーニングになっているのである。
剛速球を投げられる右回転の爆発力があるから、超高速高弾道長距離砲が打てる左回転の爆発力のトレーニングにもなっている。筋肉には拮抗(きっこう:勢力が等しくせめぎ合うこと)の原則がある。ちからこぶ(上腕二頭筋)と二の腕(上腕三頭筋)、ふともも前側(大腿四頭筋)と裏側(ハムストリングス)が筋肉の裏表であり、お互い収縮と伸展が逆に作用しあって力が拮抗している。筋膜にも同じようなことが言える。右回転と同じような動作や力感で左回転を行うことで全身がバランスよく強靭になってゆく。
大谷翔平選手は二刀流によって左右バランスが良いパーフェクトな肉体をつい繰り上げたといってよいだろう。
だから二刀流をやめて打者に専念すればホームラン70本以上打てるという考え方は誤りだ。
大谷翔平の場合は投手の筋力、柔軟性、回転軸、リストの強さそして身のこなしを持つから打者としても比類ないパフォーマンスを出せるのだ。そうでなければ大谷よりさらに大柄で筋力も強いアーロン・ジャッジよりも大谷翔平の飛距離が勝る理由を説明できない。
大谷翔平はなぜ頑丈なのか
大谷翔平がWBCから出続けてMLBでもほぼ皆勤賞。
疲れもなく、故障もしない。
それは左右均等のバランスの良い筋肉を育んでいるからに他ならない。
大谷本人がなぜ二刀流にこだわるのか?
実は運動パフォーマンス向上のためにも二刀流プレイヤーで居続けることがトレーニングとしても最適だということなのだ。
その秘密が「右投げ左打ちの二刀流」に隠されているのである。
もし大谷が右投げ右打ちだったら、今の二刀流パフォーマンスは実現できなかっただろうだろう。
今回も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
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